三重テレビ『ゲンキ!みえ!生き活きリポート!』2012年3月25日放送

大紀町で唯一海に面した錦では、漁業で地域を活性化しようという思いから、魚の漁獲高の確保、販路の拡大を狙ってさまざまな取り組みが行われています。


今回ご紹介するのは、大紀町で唯一海に面した町、錦。
古くから漁業の町として名高く、最近ではリアス式海岸を活かした魚の養殖も盛んで、釣り人にも人気の町として知られています。

錦の漁港でブリをさばいている方に出会いました。
三重県外湾漁協紀州北支所錦事業所の西村明照さん。

好評の移動販売について教えていただきました。

漁協のみなさんは、地元の人においしい魚をもっと食べてもらおうと自ら移動販売を開始。
毎週月曜日と木曜日、こちらの「魚々錦号(とときんごう)」に新鮮な魚を積み込んで山間部をまわります。
また事務所の1階でも、週に2、3回ですが、鮮魚を販売しています。

魚々錦の取り組みをはじめたきっかけを、三重外湾漁協紀州北支所錦事業所の西村民也さんにおうかがいしました。

西村民也さん「近年、魚離れが叫ばれとる中ですね、魚食文化をみなさんにもっと知っていただきたいということと、山間部の交通弱者の老人の方たちに魚を届けるというのを目的にしております」

・・・大変なことは?

西村民也さん「最初はどこから来たんやろとか何者やろとかっていうのがありましたけれど、行く回数がどんどん増えるごとにみなさんに顔を覚えてもらって仲良くなりまして・・・。
今はもう手を振りながらこうやって売りに行くと、みんな手を振って出迎えてくれますよ」

もうすっかり地域に根ざしているようです。

他にも、錦では漁業で地域を活性化しようという思いから、魚の漁獲高の確保、販路の拡大を狙ってさまざまな取り組みが行われています。
タイの養殖もそのひとつ。
いまや養殖真鯛は錦を代表する魚になりつつあります。

鯛養殖の西村宗伯さん(写真上)にお話をおうかがいしました。
西村宗伯さんは大紀町漁業活性化推進協議会委員であり、三重県海水養魚協議会会長でもあります。

西村宗伯さん「養殖真鯛は昔のイメージのように脂が乗りすぎているとかいうことは今ではほとんどなく、身質が非常に高い品質でずっと維持できています。それが天然魚に比べてかなり優位な部分かと思っています」

さらに海に魚を増やすためにこんな取り組みも行われています。
間伐材を使った漁礁の設置。
魚たちがエサをとりやすく、繁殖しやすい場所を増やし、かつての豊かな海を取り戻そうとしています。

さて、続いてやってきたのは、錦であがった新鮮な魚介類を楽しむことができるお店「汐の食卓」。
実はこの日、こちらの「汐の食卓」でラジオ番組の収録が行われるということに。
ならば、そのまえに錦のおいしい魚をぜひとも食べてもらおうと、朝から地元のお母さんたちが準備に大忙しでした。

用意されたのは、錦のおかあちゃんの味を楽しめる郷土料理。

ラジオの収録を前に、超豪華な錦の魚料理の試食会です!

こちらは、ISOMON6代表の西村さん。

そしてラジオのディレクターと夢古道おわせの伊東さん。
伊東さんは、ラジオ番組のアシスタントをしています。
西村さんと伊東さん。
この二人のつながりから、今回の錦での収録が実現しました。

真鯛養殖を行っている西村宗伯さんも開発中の鯛の加工品をPR。

骨まで食べられる鯛の兜煮と、身がプリプリの昆布締め。
鯛のふわふわ揚げや、わさびの効いた鯛わさなど、計5品を伊東さんたちに試食していただきました。

その試食のあとのラジオ収録。
錦の魅力、そしてみなさんの熱い思いを、リスナーに届けることはできたのでしょうか。

さて、ここでお祭りのお知らせ!
3月31日、錦漁港で第3回錦ぶり祭りが開催されます。

錦で水揚げされた魚が格安で販売ということもあって毎回大盛況。
魚の町、錦をアピールする一大イベントになりつつあります。

この日は、ぶり祭りのメンバーと協力していただくお店のみなさんで会議が行われていました。
祭りをさらに盛り上げるため、みんなで力を合わせ、準備をしているのです。

大紀町漁業活性化推進協議会委員で、錦ぶりまつり実行委員長の西村昌紘さんに「ぶり祭り」についておうかがいしました。

西村昌紘さん「錦で捕れる魚は地元の人はいつでも食べられるんですけど、大紀町は海は錦だけであとはほとんど山間部なので、その山間部の人たちに捕れたての魚を食べてもらおうということで、この祭りをはじめました。
あと近くの町の方とか、大阪や名古屋など県外の方もたくさんみえるので、
一回目の時のブリの本数よりも倍、三倍と販売をしていこうかなとは思っております」

おいしい魚を食べにどんどん錦へ来てもらいたい・・・。
そして錦の魚をどんどん広めていきたい・・・。
そんな願いを抱きつつ、錦のみなさんは頑張っています。

大紀町漁業活性化推進協議会会長、三重外湾漁協紀州北支所理事 谷口兄さん。

・・・地域活性、漁業の活性のために取り組んでいることは?

谷口兄さん「私が代表になってからですね、「海業」ということで海を使って何か収入アップにつながらないかということで、いろいろな事業に展開させてもらってます。
先輩方もいらっしゃるんで、はじめはあまりでしゃばったこともと考えたんですけども、逆にわれわれ世代の下がいないんで、われわれが今こうがんばらんと錦という町の漁村文化、魚食文化、漁村そのものがもうなくなってしまうんじゃないかと・・・。
なんとか次の世代へ漁村文化というものを残していきたいですね。
漁業だけじゃなくて加工業も含めてですね、次世代へ伝えていきたいと考えてます・・・」

2012年のぶり祭りは3月31日に開催。
詳しくは基本情報をご覧下さい。